サックマレット

「旅行カバン」という言葉が生まれたのはルネサンス期の事です。王政復古期には、このバックは端に小さな穴である「アイフレット」にヒモを通し締めるつづれ織りの「タペストリー」や柔らかいレップが小袋の形状に広くスーツケースの役割を果たすようになっています。1826年にパリジャンのPIERRE GOD ILLOTで製造していた「バザール・ドゥ・ヴォヤージュ」がフォイヤールと呼ばれている2つの持ち手付き施錠可能な鉄留め金を旅行カバンに付けている事を提案しました。

そして1830年頃、レザーと厚紙を使用して底面の強度を上げ、カバンを立たせる事を実現しました。1836年頃にはカバン底にブリーフケースを取り付けるという発明品を完成させました。このようにこの時代はあらゆる旅のお供として旅行カバンは人気を博し、ロマンチックな紀行作家の作品にも登場する事は少なくありませんでした。そして、このスーツケースに影響され誕生したのが、1920年初めに誕生した「サック・マレット」です。

エルメス サックマレット

サックマレット

サック・マレットとは今ではほぼ出回りのないバッグです。形が変わってマクファーソンというバッグにモデルチェンジしています。歴史的にも貴重なバッグとも言えるでしょう。