エルメスの小物類の中でも、特に人気のスカーフ。洋服のアクセントとして首元に巻いてこなれ感を出してみたり、バッグの持ち手に巻いて見慣れたバッグを生まれ変わらせてみたり、使い方次第でいろいろなお洒落が楽しめるのも魅力です。そこでこちらでは、エルメスのスカーフについて、その種類や特徴を詳しく解説していきます。
「カレ」とはそもそも、フランス語で「正方形」を意味します。その名の通り、エルメスの「カレ」は正方形のスカーフとして、多くのファンに愛されています。エルメスがカレを初めて発表したのが、1937年。初めてのデザインが「オムニバスゲームと白い貴婦人」のカレで、ゲームに興じる貴婦人の姿などが描かれています。過去のデザインを現代風に蘇らせることもエルメスの魅力で、このデザインは2000年以降のコレクションでも発表されています。現代に至るまで、考案されたカレのデザインは1500種類以上にも上ります。
カレの名前の由来でもある正方形という形は、カレを語る上では重要な要素だといえます。一般的にスカーフには長方形のものと正方形のものがありますが、正方形を作るにはさらなる技術が必要となるのです。デザインから完成まで、深く広い技術力や知識が詰め込まれたカレ。エルメスだからこその高度な技術でカレを製作することができるのです。
また、個性的なデザインと、目を引く鮮やかな色彩もカレの大きな特徴です。この個性的なデザインは、熟練した職人の手作業の賜物といえます。エルメスのカレは単純なプリントではなく、シルク布の一枚一枚を染めたもの。何種類ものカラーを出すためにそれだけの製版が必要となり、丁寧な作業を重ねることで一枚のカレが完成するのです。作業工程が長いことから、一枚のカレの完成までに数百時間を要することもあるそう。その完成度の高さから、スカーフとして使用するのではなく、額縁に入れて飾るなど、美術品として使用されることも多いようです。
1937年、シルク産業の中心地リヨンで誕生したエルメスの「カレ」。その名前はフランス語で「正方形」を意味していて、しなやかなシルクの肌触りと色鮮やかで独創的なデザインは世界のセレブをはじめ多くの人々を魅了し続けています。新作は毎年2回発表され、1937年の誕生から現在までに考案されたデザインの数は実に1500種類以上にもなるそうです。「朝の散歩」、「気ままな週末」、「天国のシエスタ」など、カレのデザインにはそれぞれタイトルがつけられていて、ストーリーもしっかりと決められています。カレが誕生した当初にサイズが90センチ四方と決められ、今もエルメスが発表するスカーフのおよそ70%はこのサイズで作られています。さらに現在では70センチ、140センチサイズのものも作られています。では、それぞれの特徴を具体的に見てみましょう。
70センチ幅のスカーフで、ヴィンテージシルク素材のものが多いのが特徴です。襟元にすっきりおさまる結び方がよく似合います。大げさ過ぎず、コンパクトにまとめたい人におすすめ。スカーフリングなどを使ってしっかりと固定する方法もお洒落です。
90センチ幅のスカーフで、シルクツイル素材のものが多いのが特徴です。カレの中でも最も多く作られているサイズで、スカーフリングなどと合わせることで襟元を華やかでエレガントな雰囲気に仕上げてくれます。自然の力や生命のエネルギーといったエルメスらしいデザインの中にも、幾何学模様などのようにその時期のトレンドをさりげなく織り交ぜているのも特徴のひとつです。
140センチ幅という大判のショールスカーフで、カシミアシルク素材のものが多いのが特徴です。他のスカーフと比べてもかなり大きめのサイズなので、ボリュームを持たせて襟元に巻くのはもちろん、首元にかけるだけでも絵になります。70センチ幅や90センチ幅よりも多様な使い方ができるのも魅力です。
カレの種類には、「カレ70」「カレ90」「カレ140」などがあります。基本は90cm四方の正方形ですが、中にはネクタイのように細長いものもあり、どんな結び方をしても不思議と表側が出るような縫い方がされているのが特徴。デザインも豊富で色彩が豊かなカレだからこそ、ご自分らしい使い方を探して楽しみましょう。
首に巻くのが、スカーフの基本の使い方です。しかし、その巻き方によって、様々な使用方法や印象が変化します。首に垂らして結ぶのではなく金具で留める、または2枚を繋げてデザインとカラーのダブル使いを楽しむのもいいでしょう。首への巻き方だけでも何通りものバリエーションがあるので、その日の服装や季節によっていろいろと試してみてください。凝った柄ばかりなので、大きめに結んで柄を出すというポイントを心掛けてみると、カレの魅力を楽しめるはずです。
色彩鮮やかなカレは、頭に巻くだけでもファッションが活き活きすること間違いありません。ターバンのように巻いてみたり、帽子のようにすっぽりとかぶってみたり、頭に巻いてからワンポイントで花やリボンをつけても可愛いですね。
スカーフとしてだけでなく、アクセントとして使用する方も多いようです。バッグにアクセントとして結んだり、手首に巻いたり、ふたを開けたままのバッグにかぶせるようにして使用したりと、使い方は幅広く考えられます。
エルメスのスカーフの中でも、ここ数年圧倒的な人気を誇るのがこの「ツイリー」。特徴はなんといってもその形。エルメスのカレが正方形なのに対して、ツイリーはあらかじめ細長い形状につくられているのが特徴です。コンパクトなスカーフとしての使い方はもちろん、ヘアアクセサリーとして使ったり、バッグの持ち手に巻いたりとさまざまな使い方ができます。中でも、特に人気なのが時計やブレスレットと合わせて手首に巻くスタイル。エルメスらしい色彩豊かなデザインは、肌の露出が増えるこれからの季節にぴったり似合います。
あらゆる使い方を楽しめる、エルメスのカレ。ファッションのワンポイントとなるのでファッションアイテムの一つとして、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。