セリオ・ルデーレ

デザイン:ニコラ・ビュフ

このカレのデザイナーであるニコラ・ビュフは幼い頃から日本文化であるマンガやアニメ、ゲームが好きでした。しかもこの日本好きはエコール・デ・ボサールを卒業後2007年以降拠点を東京にするくらいで、日本のポップカルチャーを作品に織り交ぜるくらい大きな影響を与えました。その実力はグランプリ受賞や衣装、舞台美術や古典を開催するなど活躍の場を広げています。そしてこのセリオ・ルデールはルネサンス期に活躍した多くのヒューマニズム作家が考案した信条で「真面目な題材程楽しむことを忘れてはならない」という意味がある。これはユーモアなイマジネーションから、一歩引いた視点から深い思想を引き出そうとする巧妙なアプローチをしているのです。このカレのキーポイントなるのは中央に描かれている像であり、知性をもって遊ぶ動物として象徴されています。これをニコラ・ビュフは1499年にヴェネツィアでルネサンスを代表する本として出版した道士フランチェスコ・コロンナ著「ヒュプネロトマキア・ポリフィリ」(ポリフィーロの夢)に見出しております。この芸術的な絵本には「像みたいに丈夫な頭を持つ者だけが治世の重さを支える事ができる」と述べられています。そしてニコラ・ビュフはその像を中央の天秤に乗せ、この思想を表現しているのです。